肉離れについて
肉離れは俗称で、正式には「筋挫傷(きんざしょう)」といいます。スポーツを行うなかで、急に無理な動作をした場合に発生する筋膜や筋繊維の損傷・断裂のことを指します。
筋肉が裂けたり破れたりすることを筋断裂といいますが、筋断裂のうち範囲が部分的なものを一般的に肉離れと呼びます。
肉離れが起きやすい部位は競技によって違いますが、特に大腿部(太もも)、腓腹筋(ふくらはぎ)など、下半身に多く発生します。
肉離れにはこのような原因と症状があります
肉離れは、筋肉の強い収縮とともに、逆に強く引き伸ばされるような方向の力が加わったときに起こりやすいと考えられています。具体的には、急なダッシュやストップ、ジャンプからの着地などのタイミングで多発します。
筋肉疲労の蓄積、加齢、ウォーミングアップの不足などは、肉離れを引き起こす要因となります。日頃からストレッチをするなどして予防を心がけることが大切です。
肉離れは損傷の程度によって1度損傷〜3度損傷に分類されます。
1度損傷
筋肉自体や筋膜にはほとんど変化はなく、筋線維が引き伸ばされた程度のもので、痛めた場所の圧痛(押さえた時の痛み)のみのことが多いです。
2度損傷
筋膜の断裂で、ごく一部の筋線維の断裂がありますが、圧痛だけでなく軽い陥凹や軽い運動痛もあります。
3度損傷
筋膜の断裂はもちろん、筋肉自体にも部分断裂があり、圧痛、局所陥凹、運動痛も著しいです。
施術内容
筋肉へのアプローチ(炎症がある場合)

筋肉の損傷がある場合には、まず安静にすることと冷やすことが重要です。これをすることで、炎症が広がるのを防ぐことができ、痛みを抑え、治りを早くすることができます。
当院では炎症を引かせる治療においてハイボルテージと呼ばれる電気治療を行なっております。ハイボルテージでは高電圧電流を用いており、鎮痛作用が強く、即効性が高いので、痛みや炎症を抑える作用が強いです。
従来の電気治療法と比べ、身体の奥深い患部への直接のアプローチができるため、非常に高い鎮痛効果と即効性が望めます。
筋肉へのアプローチ(炎症がない場合)

炎症は受傷後2〜3日後がピークとなり、そこから炎症がだんだん引いていくことが多く、炎症が引いた後や受傷してから日数が経っている場合には、筋肉の硬さや動きの悪さが出てくることが多いです。
当院では触診により、どの筋肉に硬さや動きの悪さがあるかをチェックし、手技により硬さのある筋肉や動きの悪い筋肉を緩めていきます。
固定

筋肉を痛めた場合には安静にすることが効果的ですが、更に治りを良くするためには正しい角度で固定を行うことが重要です。肉離れでは筋肉が収縮や伸長されることにより痛みが増大され、治りも遅くなります。
当院では包帯を用いて固定を行うのですが、固定により患部に一定の圧を加え、筋肉が伸びたり縮んだりしないようにすることができます。また圧を加えることにより、痛めた場所だけでなく、固定している範囲全体に負担を分散することができるので、痛みを軽減することが期待できます。
スポーツ復帰の際には、どういった動きをサポートしたいかを確認し、患者様の競技やニーズにあったテーピングも行うことができます。
運動療法

特にスポーツ中に起きる怪我では普段の身体の使い方が間違っている可能性が非常に高いです。当院では様々な姿勢を写真におさめ、その姿勢を評価し、動きの悪い関節を見つけます。
それに対して正しい動きを覚えていただく、ファンクショナルトレーニングという運動をマンツーマンでお伝えし、動きの改善を狙います。痛みの改善だけでなく、今後の怪我の予防にもつながる運動となっております。